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読書に関する一考察

081024.jpgここ2年ほど、仕事の関係で「基礎学力」について考えることが多い。すなわち社会に出ていっぱしに食っていけるようになるにはどんな基礎が必要で、その習得にはどうすればよいかといったことである。考え方は人それぞれだが、多くの人たちが「コミュニケーション力」と答え、そのためには「言語力」が不可欠で、「読書」が大切であると指摘する。

私も読書がもたらす種々の効果については、まったくもって否定しないが、一方で「読書」を強制する社会的風潮には、少々賛成しかねるところがある。誤解を恐れずに言えば、「読書は大切」「本を読みなさい」という社会全体の空気感が、一部の子どもに読書への強迫観念を植え付け、「読書嫌い」を生んでいるのではないかと思うのである。フランスの作家・ダニエルペナックが同様のことを述べているが「我々はもっと自由に読書する権利がある」という考えには、私も共感するところが多い。

大切なのは、読書を強制せず、子どもたちが自然に本を手に取ろうとする雰囲気・環境を作り出すことではないだろうか。個人的経験で言えば、読書感想文などで「読まされた本」よりも、自分で興味をもって自主的に読み始めた本の方が、ずっと印象深く、自分のためになったと思う。

大人たちが「読書は大切」と言わなくなった途端、実は子どもたちが一斉に本を読み始めたりするのでは・・・なんて思ったりするのは私だけだろうか。

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