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赤字のコンテクスト

071120.jpg他人のブログを読んでいると、まったくもって嫌気がさしてくる。なんで、こうも滅茶苦茶なのに面白いのか!と。文法的にも誤っていて、語彙的にも大したことがなく、やたら擬態語とか絵文字とかが出てくるのに、すらすら読めて面白い。文章を生業とし、日々正しい日本語を追求して四苦八苦している身としては、ちょっとばかし腹が立ってくる。

ふと、優れた日本語とは何だろうかと考えてしまった。文法的に整っているからといって、必ずしも「読みやすい」とは限らず、豊富な語彙や表現が必ずしも「面白い」とは限らない。そんな文章の不思議を人のブログを読むたびに感じてしまう。

我々編集者やプロダクションの仕事の中には、人が書いた文章に「赤字を入れる」作業がある。赤字を入れるのはその方がベターだと思うからに他ならないが、その赤字が絶対的に正しいかと問われれば、イエスと即答するのは難しいように思う。

例えば、誰かが書いた個人ブログの面白い記事に、専門書のようなスタンスで赤字を入れることほどナンセンスな話はないだろう。大切なのは、赤字の入れ方にも「文脈」(コンテクスト)があることを理解しておくこと。これを見誤ると、とんでもない本を作るばかりか、書き手の信頼すら失ってしまう。

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