2008年01月21日

080121.jpg知人が何人か読んでいて「面白い」との話を聞き、文春文庫『裁判長!ここは懲役4年でどうですか』を読んでみた。ライターである北尾トロ氏が約2年にわたって裁判所に足繁く通い、様々な事件の裁判を傍聴した記録を綴ったものだが、裁判の裏側にある人間模様が伝わってきて、なかなか面白いものがあった。

この本を読んで感じたのは、結局のところ、世の中を動かしているのは「仕組み」ではなく「人」なんだということ。書籍には、自分の収入を保持するために裁判を長引かせようとする国選弁護士、傍聴人の多い裁判ではやたらと張り切る裁判官や検察官などの話が出てくるが、理路整然としたシステムで動いているかに見える裁判所が、実は人の心持ち一つで大きく結果が左右される、ファジーな世界なんだということがよく分かる。きっと、こうした話は会社や政治などの世界においても同様で、話し方・伝え方一つで、実現するプロジェクトもあれば、ボツになる政策もあるのだろう。

書籍には、強盗殺人や覚せい剤、詐欺、強姦、窃盗など、実に多様な事件の裁判記録が面白おかしく綴られており、裁判がどんな雰囲気の中で、どのような手順を踏んで行われるかが、とてもよく分かる。裁判員制度が導入される前に、ぜひ一度読んでおきたい本である。