エコロジー的思考

060525.jpg自宅の書棚を整理していたら、懐かしい本が出てきた。立花隆氏の「エコロジー的思考のすすめ」。「思考の技術」と副題が冠せられている。

この本を読んだのは、確か学生時代だったんじゃないかと記憶している。大学1年生のときに「脳死」を読み、すっかり立花氏の信者になってしまった私は、その後自然科学系の本を中心に、同氏の著書を読みまくった。そんな中でも、この「エコロジー的思考のすすめ」は、印象に残る一冊であった。

「エコロジー」といっても環境の話ではない。政治家や経済学者、経営者、音楽家など、社会のあらゆる職業について、「風が吹けば桶屋が儲かる」という言葉のごとく、物事の連鎖を読み解き、先の一手を打つ生態学的思考(エコロジカルな考え方)が必要というのが、本書に込められたメッセージである。

そういえば「風が吹けば桶屋が儲かる」という言葉のからくり(風が吹く⇒砂ぼこりが舞う⇒視力を失う人が増える⇒三味線の流しが増える⇒三味線づくりのために猫皮が必要⇒猫が捕獲されて数が減る⇒ネズミが増える⇒木の桶がかじられる⇒桶屋が儲かる)を理解したのは、本書が最初であった。ちょっと古い本だが、今の実生活に役立つ知恵が集約されている。興味ある人はぜひ読んでみてほしい。

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.con-text.co.jp/mt/mt-tb.cgi/185

comments

私も立花隆氏にはまって買い込んだ時期があります。古典の「田中角栄研究」(タイトルあっていたかな?)から始まり「脳死体験」等、幅広い分野に著作がある氏は憧れでした。でもこの本は読んだことがありません。久しぶりに読んでみようかと思った次第。

立花信者なんて言ってる私ですが、田中角栄研究は実は読んでないです。お恥ずかしい。彼のジャーナリスト活動の原点ですよね。

私が読んでいるのは、自然科学系の本ばかりですが、どれも分かりやすくて面白いです。文字に携わる者として、少しでも彼に近づきたいところです。

「田中角栄研究」は読んだものの、難しすぎて半分も理解できませんでした。でもこんなスゴイ本を書く人がいるんだと立花氏に惚れた1冊でした。

comment submit