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JALの機内清掃を請け負う会社の社員が、清掃時にあった客の忘れ物を着服していたとの話が、ヤフーニュースに出ていた。なるほど、清掃していた時に、高級時計やアクセサリーなんかがおいてあれば、ついぞ手を伸ばしたくなるのが人間の心情というものだろう。あまりに単純かつ安易な悪行ゆえ、少々苦笑いしてしまった。
こうした不祥事が起きるから「コンプライアンス」がもてはやされる。おそらく、背景には個々人の道徳観の喪失があるのであろう。モラルの欠如が「バレなければ」との下心が顔を覗かせ、我慢をすることもできない。そんな動機から生まれる犯罪が増えているように思う。
梅原猛氏は、著書『神殺しの日本』の中で、そうした道徳心の崩壊が、2度に渡る「神殺し」の上に生まれた必然であったと述べている。明治維新時の廃仏毀釈と終戦後の神道・教育勅語の否定。自らが歴史と共に築き上げてきた神を否定し、その「殺害」が人々から宗教心と道徳観を奪ったとのことである。
私はあまり「道徳」という言葉が好きではないし、特定の宗教に帰属しているわけでもない。ただ、「自由」が無責任や怠惰、モラルの欠如を生む構造は分かるだけに、梅原氏の指摘は納得できる。