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澤田です。
皆さんは「キンドル」という商品をご存知ですか? 書籍の通販サイトとして有名な「アマゾン」が2007年にアメリカで発売した「電子ブックリーダー」のことで、電子書籍や新聞記事を有料でダウンロード&閲覧できる端末のことです。主な特長は、1冊あたりの値段が通常の本の約半値近いという安さ、36万冊に及ぶ豊富なソフト数、それに長編小説であっても約1分でダウンロードできる通信速度など。端末価格は約2万5000円と、そこそこ高価なのにもかかわらず、アメリカでは「アマゾンで買いたい商品 №1」に挙げられています。
実はこのキンドル、今月の19日より、既に日本向けの出荷が開始されており、手に入れることが可能です。ただし、今時点では英語にしか対応していないため、アマゾンとしても本格的な販路拡大に向けたプレリリースとしての意味合いが強いのではないでしょうか。
まだまだ耳慣れない商品ではありますが、今後キンドルは出版業界においてiPodのような役割を果たすようになるのではないか、と予想する向きもあります。と、いうのも、私が通っているセミナーで講師として招かれる編集者・ライターの多くが、このキンドルの果たす役割に良くも悪くも注目しているからです。
出版業界はいま、未曾有の氷河期時代に突入しつつあります。それは不況の影響というよりも、「出版社が作った本を消費者が書店で買う」という販売形態そのものが既に前時代的になりつつあるといった方が正しいように思います。ちょうど、音楽CDの「ミリオンセラー」という言葉が、久しく聞かれなくなったのと同じように。
ただ、今後、編集者やライターにとって不遇の時代が続くのかといったら、必ずしもそうではないように思います。それは「印刷」&「出版」という工程が「配信」に変わりこそすれど、そのソフトを制作する編集者やライターの持つスキルが不要になるわけではないと思うからです。むしろ、「本になった」「新聞に載った」というある種のアドバンテージが取り除かれた状態ですべての記事を見渡したときに、どのような文章が「価値のあるもの」として受け入れられるのか、個人的には楽しみな部分もあります。
さてさてキンドルは出版界の救世主となるのでしょうか、それとも……
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