ご機嫌ななめ

ご機嫌ナナメ?.jpg佐藤です。最近はすっかりテレビにも出てこなくなりましたが、一昨年の今頃は、沢尻エリカが世間を賑わしていました。

ある映画の制作発表会で、不遜な態度を取ったことから、マスコミのバッシングを浴び、スポーツ紙などで「エリカ様ご機嫌ななめ挨拶」などと叩かれたものです。

まあ、ちょっとしたことで機嫌が悪くなったりするのは若さゆえの甘えでもあるんだし、大の大人がよってたかって20そこそこの小娘を攻撃しなくてもいいのに・・・と思ったもんですが、今にして思えばあの騒動は一体なんだったのでしょうか・・・。

と、なぜこんな話をするかと言えば、「機嫌」という字が、ちょっと気になったからです。機嫌とは、すなわち「気分の良し悪し」を指します。なのに、「機」と「嫌」という字からは、どうしてもそれが浮かびません。

例えば、楽しそうな人のことを「ご機嫌だね」といいますが、「嫌」という字から連想されるのは、ネガティブなイメージです。だとすれば、「ご機嫌だね」は「気分が悪そうだね」となるはずですが、実際の日本語はそうではありません。

一体どうなっているの?と思い、調べてみました。

どうやら「機嫌」は、もともと「譏嫌」と書いたらしく、仏教用語の「譏嫌戒」から来ているそうです。

この「譏嫌戒」は、お坊さんが守るべき戒律で、これを守ることで「人に譏(そし)り、嫌われないように」することを目的としているそうで、例えば「酒を飲まない」「にんにくなどを食べない」などが定められているそうです。(実際のお坊さんは、酒も飲むし、餃子も食べますが・・・)

要は、お坊さんが持つべき「気構え」「心構え」という意味で使われていた語が、広く一般に気分の状態を指すようになったとのことです。

つくづく、日本語は奥が深いですね。

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